2011年10月8日土曜日

9月-スピーチ、平泉-

 910日、NPO法人ETIC.主催の『地域仕事づくりチャレンジ大賞2011』という表彰式の中で、『震災復興パネルディスカッション』として被災地での復興支援活動についてお話しさせて頂いた。福島会津で活動されている貝沼さんという方とご一緒した。話の中で一番反響があったのは、「これから東北で活動することを考えている人へのメッセージは?」という質問に対しての、「誰かと会った際は必ず挨拶をしっかりしてください」という答えだった。現地の方々からしてみれば、今まで自分たちが生活していたところの風景が変わり、人間関係が変わり、不安が尽きない生活をされている。その中で知らない外部の人間が来るので、当然警戒をされる。そうした方々に安心してもらうためにまず目が合ったら知らない人でもこちらから挨拶することが大事。それは自分たちの活動を続けやすくなることにも繋がる。

 その後9月は岩手県平泉で免許合宿に行って来た。なぜ平泉にしたかというと、最近高橋克彦の『火炎』『炎立つ』という、奥州や平泉といった今の岩手県を舞台にした小説を読み、その場所で時間を過ごしたかったから。この小説はお薦め。昔、朝廷や都の人々は陸奥に住む蝦夷を人でないといって蔑んだ時代があった。会ったこともないのに、親から子へそう言い伝えた差別の歴史があった。そうした偏見に屈せず、蝦夷の誇りを持って戦った熱い男達の物語だ。あの時代から1000年余が経ち、今を生きる世代にはそうした思い込みは無い。馬で何十日もかかって都から移動していた距離も、今は新幹線に乗れば半日で着く。今年は平泉が世界遺産にもなった。阿弖流為から始まり、安倍貞任や藤原経清、清衡などの奥州藤原氏の願いが現代に通じたのかもしれない。(下は平泉の高台から見る収穫時を控えた稲穂群。奥に見えるは観音山か。)

2 件のコメント:

  1. 前以上にいい言葉書くね。勉強になる記事でした。ありがとう。
    Shoyo

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  2. や、こちらこそ読んで頂いてありがとうございます。光栄です。

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