2010年7月25日日曜日

『The Economist』と『フォーリン・アフェアーズ』

 今年の2月頃から『The Economist』と『フォーリン・アフェアーズ・リポート』の定期購読を始めました。前者は週刊、後者は月刊です。
 定期購読を始めた理由は、進路を考えている際に、あまりにも自分が世の中の事を知らないということに気付いたからです。これからの世界の動向をきちんと追いたいとなると、それまで目を通していた日本の新聞だとやや物足りなく感じたので、記事のクオリティに定評のある『The Economist』と、国際関係の論文が寄稿される『フォーリン・アフェアーズ・リポート』を取ることにしました。
 それと、海外のメディアが日本をどう見ているのかという点も知りたかったのも、もう一つの理由です。 
どちらの雑誌も日刊新聞に比較して記事で取り扱っている射程が長期を見据えています。新聞だと賞味期限はせいぜい一カ月ですが、『Economist』は数カ月、『フォーリン・アフェアーズ』は数年の射程で記事が書かれています。
 よもや三日坊主になるかと危惧していましたが、記事が新鮮で興味深く、幸いここまで続けてこれました。
  
 こういう海外のメディアを読むときに感じるのは、やはり自分の英語力の不足と、西洋的教養の欠如です。『Economist』は辞書を引きながら読みますが、それでも完全にはわかりませんし、時間もかなりかかってしまいます。語彙力の問題が大きいので、継続的に続けてレベルアップを図っていきたいと思います。
 そして英語力以上にネックなのは、西洋的教養の欠如です。例えば『Economist』のBiologyの記事では、人間が生命体を生み出せるようになったことに伴う生物兵器などの危険性を扱っていました。その記事の最後は、「You keep Nemesis at bay.」というセンテンスで終わっていました。ここはその週のトップ記事の締めの決め文句なのですが、自分はNemesisが何を指すのかがわからなかったので、一読しただけでは何を言っているのかつかめませんでした。(ブリタニカによれば、「ギリシャ神話の復讐の女神。神をないがしろにする人間の傲慢に容赦なく手厳しい罰を与えると信じられた」だそうです)。それを知って、西洋の人は科学の発展とその危険といったテーマを考える際に、ギリシャ神話を引っ張ってくるのか、と思うと同時に、そういう文章を読む際には、自分もギリシャ神話にたいしてそれなりの理解はしていなければならないのか、と実感しました。
 大学のゼミでハンナ・アーレントの『人間の条件』を読んだ時も同じことを感じました。アーレントはアテネやローマの政体をモデルとして政治とは何かを論じているので、アテネやローマに関して一定の素養が無いと、彼女が言っていることがつかめませんでした。
 これから自分が違う文化の人と接する際にも、やはり相手の文化的背景を理解しておかなければと再認識しました。まずは西洋が規範とするギリシャ、ローマ、そしてキリスト教に関して最低限はつかんでおきたいと思います。

 ローマに関しては塩野七生さんの『ローマ人の物語』シリーズを読み進めています。文庫本で全37巻の大作です。このシリーズには学者からは批判もあるそうですが、歴史小説として読むならそれなりに面白いし、入門としてはいいと思います。通学途中に電車の中で読んで今16巻まで進んだので、年明けくらいまでにめどをつけたいと思っています。
 聖書は旧約新約共に目は通したことはあるのですが、幼いころだったのでその世界観はあまりわかりませんでした。こちらも学生の間にはもう少し理解を深めておきたいと思います。
 
 そして、肝心の『Economist』と『フォーリン・アフェアーズ』も、普段はゼミの課題や授業、国一の勉強に追われて後回しになってしまっていたので、机の上に積読状態になっている有様です。夏の間になんとか時間をつくって読み進めたいと思います。この夏の課題です。

 

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