2012年9月1日土曜日

列島8000万の日本


1.    列島8000万の日本
先日、高校の同級生が東北に行くにあたり何かアドバイスはあるかと聞かれたので、入る際の心構えや訪れて欲しい場所、事前に読んでおいた方がよい本などを伝えました。僕も改めて資料を調べている中で、今年の5月に出た小熊英二と赤坂憲雄共同編著の『「辺境」からはじまる-東京/東北論-』(明石書店)を読みました。これは東京と東北の関係性という視点から様々な問題点を浮き彫りにした力作でした。特に、巻末のお二人の対談は震災後の見取り図をつかむために最良の文章です。
その中で小熊が、東北の一次産業は震災前から後継者不足で立ち行かない現状だったことを踏まえ、東北沿岸の地域に関しては、「20年持たせるコミュニティづくり」という視点で捉える必要があると述べていたことが印象に残りました。なぜなら、20年の間に、そこにいる人口は大きく減少し、コミュニティの構成員も多く変化するからです。確かに僕が気仙沼にいた時、80代の老夫婦世帯が非常に多かったことを覚えています。
日本全体でも、2060年、今から約50年後には日本の人口は約8000万人になると予測されています。その時僕は72歳になります。つまり僕が働いている時代は常に人口減少が続きます。そうであるならば、列島8000万人の日本になることを前提とし、その時にどんな日本にしたいかを考えた上でこれからの働き方を決める必要があります。
それにしても、約5000万人の人口減が所与とされた条件下では、経済成長など夢物語になるでしょう。頑張れば皆が「豊か」になるという物語が信じられなくなった時代に、いかなる物語ならば人が生きていけるのか、この問いをさらに考えていきたいです。



2.    横の連携
先日8/4に開かれたETIC. caféに参加してきました。目的は、復興支援関係者の話を聴く中で、ここ5~10年の自分の役割を問い直してみることでした。印象に残った点は、藤沢烈さんのおっしゃっていた、「住民、行政、企業、NPOなどの枠を超えた横の連携が重要になってきている」ということでした。
この「横の連携」に対しては、自分も将来なんらかの形で貢献したいと思っており、今企業で働いていることもいずれ繋がることになると考えています。また2030代の副市長の活躍についても述べられ、非常に刺激を受けました。

それにしても、会社勤めを始めると、思っていたよりも時間を割かれ、自分自身の勉強に使える時間がほとんど無くなってしまいます。その中でもなんとか時間を捻出して勉強を継続していきたいと思います。