2009年12月31日木曜日

2009年総括

しばらく更新が滞っており、大変失礼しました。インドに行った旅行記をまとめようと思っていたのですが、つい伸ばし伸ばしになってしまいました。

さて、2009年の総括をしておきたいと思います。

2009年は、インドに行った9月を境に前半と後半で分かれました。

前半は、変に唯一解を探して右往左往していた時期でした。OVALが終わって、ある程度自分の時間が取れるようになったらインプット作業をしようとつねづね思っていました。自分の軸を見定めたい、という思いと、この世界をどう捉えるか、という問いを抱えていました。それを考えるため、政治学、生態系、教育、知の統合論、宗教、社会科学などの分野に首をつっこんでみました。

それは純粋に知的に楽しい日々でした。自分は入り口から覗き込んだだけでしたが、それらの世界がとてつもなく広くて、複雑で、多様性に満ちているということを認識することができました。世界の捉え方は複数あり、それぞれに原因と結果の説明が可能なことがわかりました。言い換えれば、世界を複数の視点から見ることができるようになったと思います。もちろん、学問的には依然よちよち歩きみたいなレベルですが。

そして同時に、自分の力不足も痛感させられました。教育について自分の考えをまとめようとしましたが、今の自分には何もわかってないということがわかっただけでした。絶対解を求めようとしていたので、精神的にも負担がありました。自分の苦手なものから目をそらしてもいました。

そうした迷いの袋小路に入っていた時に本当に有難かったのが、恩師や友人の言葉です。
「大事なのは、自分の信念が持続して、一貫していること」
「いつの時代にも変わらず伝えなきゃいかんものはある」
「人生ってのは自分の思い通りにならないもの。それでも、たった一つお前が譲れないものは何だ」
真摯に向き合って言葉をぶつけてくださった方々に、とても感謝しています。

9月、そんな言葉をバックに背負ってインドへ行きました。現地でも悩み続けて、悶々として、旅行も半ば終わりかけたころ、ガンジス川に落ちる夕日をゲストハウスの屋上から眺めながらようやく腹を決めました。


いつだって、自分の良心に照らして自分の筋を通す人でありたい。それは、困っているおばあちゃんを助けるといった身近なことから、弱者を虐げる権力に対しては断固として抵抗する、といったことまで。そして仮に結果がどうなろうと、自分が信じたことのために全力で挑む。


帰国後、10月からの3カ月は、ただ謙虚に、愚直に、基礎を大切にし、目の前のことから逃げないこと、真正面から組むことをひたすら心に念じて日々を送っていました。


総じて2009年は、自分の未熟さに気づけた年でした。
そして、まともにものを考えるためのスタートラインには立てたように思います。

2010年は、「挑戦」、「意義」、「世界」の3つの軸で行動していきたいと思います。

謙虚に、その時その瞬間に、全力で挑む。

昨年は何かとお世話になりました。
今年も、何卒よろしくお願いします。




*2009年 特に強く影響を受けた本(時系列)

北康利『白洲次郎 占領を背負った男』
宮崎駿『風の谷のナウシカ 全7巻』
孔子『論語』
マックス・ウェーバー『職業としての政治』
P・F・ドラッカー『産業人の未来』
エドワード・O・ウィルソン『知の挑戦』
小林康夫、船曳建夫『知の技法』
関野吉晴『グレート・ジャーニー』
マックス・ウェーバー『職業としての学問』
ベネディクト・アンダーソン『想像の共同体』
ニッコロ・マキャベリ『君主論』
J・J・ルソー『社会契約論』
エドワード・W・サイード『知識人とは何か』
広河隆一責任編集『DAYS JAPAN』
ミシェル・フーコー『監獄の誕生』
村上春樹『1Q84』
金大中『行動する良心たれ』
ジョン・ダワー『敗北を抱きしめて』
網野善彦『「日本」とは何か』